人のことなんて何もわからない。だから自分が『読みたいことを、書けばいい。』

泰延さんオススメの本

──この本の中にもオススメの書籍を紹介していますが、それ以外で「これはぜひ読んだ方がいいよ」というのはありますか?

田中:いっぱいあるからね。浅生鴨さんなんかすごいよ。僕の50倍くらい読んでるよ。 浅生鴨さんの事務所入ったらすごいよ、本が全部平積みなの。一生取れないでしょうね下の方。平積みだったら。壁一面平積みなの。平積みて……。

もうコストコのあれみたいになってる。コストコの食品も気になりません?あれ下の方取れるの?

不思議じゃない?コストコのピザとかさ、天井くらいまで床から積み上がってて。
床のピザ、いつ食うんや?

──ローテーションしてるのか気になりますね。

田中:ねえ、気になるわー。今日はコストコの問題について話し合おうと……。

──違います。オススメの本の話です。

田中:本の話ね。どんなジャンルがいいですか?

──私はエッセイが好きなので、おすすめのエッセイを教えてください。(浜田)

田中:鴨さんとも言ってたんだけど 、團伊玖磨『パイプのけむり』。これは長いよ。音楽家なんだけど、ずーっとエッセイ書いてて。やたら量があるけど、どこから読んでも面白い。

あとねエッセイなら東海林さだお。読んだことあります?漫画家なんでね、4コマ漫画。その人のエッセイがもう100巻以上あると思うんですけど、どこをとっても面白いから。ぜひ読んでください。

いやでも…、やっぱり本を読むのって、ちょっと訓練の段階があるから、いきなり難しい本を薦めても……、

あ、洗濯物の(メールの)返事が返ってこない。

──めっちゃ雨、降ってますよね。

田中:絶対濡れてるわ。

あ、(返信来てた)「怪しい雲が来てるから入れました」。

──良かった。

田中:そして、思い切ったメールを送った 奈良新聞から返事が来ない。ちょっと焦ってきた。
あとは、じゃあ浜田さんはどんな本が好きなんですか?本って、いろんなジャンルがあるけど、好きな人にこの一冊あげたいなっていうのは。

──私は……、林真理子さんとか西原理恵子さんとか、強い女性が好きで、ああいう方が書いた生き方に関する本とか。西原さんの『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』が好きです。

田中:なるほど。林真理子さんも西原理恵子さんも大好きだけど、そこに落とし穴があるのは、西原理恵子は漫画家として大成功した、林真理子は直木賞を取って小説家として大成功した。その人が私の生き方って書いてるんであって。

それは宇多田ヒカルが「今日はトンカツが美味しい」って書いたら50万リツイートされるのと一緒なんだよ。

そういう本を読んでこういう本書けばいいんだと思ったら、人生は転落して行きます。

──分かります。

だから林真理子と西原理恵子の生き方の本が面白いと思ったら、彼女たちの全著作を読まないとやっぱり本質がわからない。一つも残さず読むことが大事ですよ。
じゃあ、(奥村)佳奈ちゃん。

──もう佳奈ちゃん呼ばわりですか。…はい。私は……三島有紀子さんの『しあわせのパン』って、映画化もされた……、大泉洋主演の。

田中:あったね。

──映画は端折ってるんで、私の感動ポイントは入ってなかったんですけど、いろんな人の生き様が交錯するような話だったので。命とは何か?とか、そういうところまで書いてあったので。

田中:読んでみます。僕ね、話を聞いたら必ず買うのよ。絶対買う。だってこの一冊あげてくださいってあげてもらったやつが、面白くないわけないんだもん。
みんな人生長いこと生きてるからね、その中の一冊って。

そういう意味で僕が好きな人にあげたい本って何ですか?というのは、『自虐の詩』。業田良家の漫画、上下巻。
これはすごいのよ、ほんとに。前半ただのギャグ漫画なの、後半、下巻の方で大変なことになるのでこれは是非。阿部寛主演で映画化もされたのよ。

今、雷が落ちて猫が叫んだけど、猫に雷が落ちてないか……。
これで、一雨ごとに夏が終わりますね。って何を言っとんねん。

──(笑)。

「若い頃、俺はかっこよかったんだよ。」

──では、次の質問です。空回りせず読者も思わず笑っちゃう、文章の中に散りばめられた、ボケのコントロールは何か意識されていますか?

田中:これはもう……飲み屋でクダを巻いている僕を口述筆記してください。

ちょっと収入が2年間で200万ぐらいしかなかったけど。ひどいよね2年間で。でも何の不自由もない。今日も生きてるし、この後は源兵衛で肉が食えるそうじゃないですか。何の問題もないです。ふざけても死なないってことだけは本当に知ってほしい。

──それは子供の頃からこういうキャラクターだったんですか?

田中:でもね、若い頃、俺はかっこよかったんだよ。 痩せてたの、俺は。

──その記事さっき読みました。これですね…。

出典:アイスム

田中:そうだよ。若い頃はかっこいいから、吉川晃司な訳ですよ。バンドとかやってるわけ。バンドの写真見た?ビジュアル系ですよ。

だから、若い頃はそんなキャラクター出す必要ないわけ。黙ってマティーニとか飲んで、飲み屋でタバコ吸って。「田中さん」とか言われたら、

「……おしゃべりはやめてくれ」って言ってたわけですよ。

──でもその時から今のような面白いところは持ってたんですよね。言わないだけで。

田中:かっこいい人は、黙ってていいんですよ。昔これ、会社入ってた時に岡康道さんという、非常に業界で成功されたCMプランナーの方がいて、TUGBOATって会社を作った人だけど。

その人もかっこいい人なんだけど、モッくんと飲みに行ったんだって、本木雅弘さんね。二十何年前。そしたら、女性も来る、みんなわいわい飲み屋でいるのに、モッくんは一言も喋らないんだって。それは黙ってるのが一番得だから。「本木さん!」ってみんなが来て「はい」って答えるだけ。で、また黙っているらしい。

しゃべって何の得もないわけ。だからもう、僕は昔から……speak up!

──日本語でもないじゃないですか(笑)。

田中:もう誰が話しかけてきてもconversation no。なんだけど体重の増加に従ってもう、指数関数的に口数が多い(笑)。

──そろそろ、面白い自分を知ってもらった方がいいのかなって(笑)。

田中:楽しく生きないと、楽しくない。俺がこんな状態で黙ってても楽しくないっていうことなんだよね。30年かけて僕もあの状態から、ミートテックを着込むようになった。一度着たら、簡単には脱げない。

──じゃあ、少年時代の泰延さんはどうでしたか?

田中:少年時代はね、いちびりやったね。大阪の子は皆いちびりじゃないですか。奥村さん、いちびりってわかる?

──「いらんことしぃ」みたいな意味合いですよね。(奥村)

田中:そうそう。あ、もともと関西?

──三重出身の、滋賀在住です。(奥村)

田中:三重出身の滋賀在住。岐阜在住。皆さんどうも中途半端なところから(笑)。
あるやん、なんか。USJに。

──ターミネーターですかね?

田中:そうそう。ターミネーターの。なんとか麗華。

──綾小路。

田中:そうそう。USJのターミネーターのアトラクションで綾小路麗華って女性がいて「
今日はどこから?」ってお客さんに聞くんだよね。それで例えば「滋賀県」ってお客さんが答えると「中途半端なところからありがとうございます」って言うの(笑)。

あなたはどこから?

──岐阜です(氷上)

田中:岐阜!岐阜!なんとまあ近くも遠くもない(笑)。

──確かに言うてますね(笑)。そういうとこから仕入れるってことですね。

田中:やっぱ関西だから、基本的にふざけていないと。浜田さんは大阪の方でしょ?

──徳島です。(浜田)

田中:また中途半端な(笑)!
しかも海外じゃないですか!

──違いますよ!島国ですけどね(笑)。(浜田)

田中:大阪の人は価値観が逆転しているんです。一番悲惨なことした人が一番ヒエラルキー高い。バナナの皮があったら、率先して滑りに行って大怪我するやつが、たんこぶ作るやつが、ヒエラルキーの上位なんです。あの滑りにいった、「あいつおもろいやつ」と。うんこ落ちてたら踏みにいって靴の裏につけて「くさっ!」っていうやつが一番かっこよくないですか?

──分かります。

田中:そうでしょ?だからふざけきったやつ、状況を読まなくてふざけきるということが、発想がもう倒錯してるんですよ、大阪は。

でも大阪もそういう人ばっかりやったら、大阪がめちゃくちゃなりますから。大阪には、警官みたいな顔をした警察官もいるんですよ。

──(笑)。

田中:銀行員みたいな堅い顔した銀行員もいるんですよ。だから大阪の人は生きていける。まあでも、ふざけがちな、たった97%の大阪人によって、大阪っていうのは面白くなってる。

──そういう空気は感じます。大阪に住んでみたら、みなさん、ボケるのは当たり前。

田中:いちびった小学生、中学生やったけど、高校とかちょっと18くらいになってきたときに、「あれ?俺ちょっと黙ってた方がいいわ」となって、それから会社入ってすぐに元の自分に戻っていくという。一瞬悩んだけどね。

──あったんですね(笑)。

田中:今はね、クマとしての余生が。

──クマじゃないですよ(笑)。
では質問に戻るとボケのコントロールは、もうずっとずっとやってきたことだよ、ということですね。

田中:Twitterとか見てても、大阪の人の返しって異常でしょ。面白い。僕大体、面白い返しが来たらリツイートして、皆に「ほらまた、いちびりがまた寄ってきた」ということを見せるんですけど、大体僕がリツイートしてるのはほんまにおもろいですよ。僕のTwitterの反応って三段階に分かれてるんですよ。まずはリプライなり引用RTがきて、超面白かったらリツイート。それから、もっと僕も被せたくなったら引用リツイート。それから、まあまあ悪くはない、「面白い、読んだよ」っていうのはいいね、ハートマーク。無印のやつは、おもんない。

──覚えておきます。

田中:僕のTwitterは、お笑い漫画道場ですよ。川島なお美ですよ。

この記事に携わった人たち
<書き起こし>今井 慎也

早稲田大学4年 #箕輪編集室

<書き起こし>安里友芽

<書き起こし>原田美鈴

2018年5月より箕輪編集室

<書き起こし>佐伯美香

和歌山市在住のOL。普段は料理教室の企画運営、経理、労務を担当。フィギュアスケート、人の話を聞くことが好き。

<書き起こし>塩谷麻友

2018年6月より箕輪編集室

<インタビュー・編集>浜田綾

ライター、編集者。企業で10年ビジネス文書の作成→キャリア0からライターに→2017年開業、屋号は「コトバノ」。 #前田デザイン室 『#マエボン』『#NASU本 前田高志のデザイン』編集長。日本一のオンラインサロン編集者を目指す。セミナーもはじめました。アボカドのぬか漬けと明太子が大好き。ご依頼・お問い合わせはDMで。

<インタビュー・編集>奥村佳奈子

京都文化と着物が得意なライター/ビンテージ好きが高じて着物生活/編プロ在籍時はガイドブック・情報誌の編集ライター/初心者さん向け着物アドバイス/帯や足袋のハンドメイド / ブログ

<撮影>遠藤 稔大

写真集を制作しました。摂南大学経済学部 #10代さいごの写真集 でチェックしてね!依頼もお待ちしてます。写真集販売中!!下記のURLで見ることができます。/作りたいものがたくさんある♪ #リバイバル写真集 作ろうかな/メイクするの得意

<校正>小川絵里

ライター/活字中毒/ブックライター/美容ライター/ビジネスライター/コスメコンシェルジュ/お料理大好き/医療 、健康、美容の正しい情報を伝えます︎

<校正>ぺぺぞー

#箕輪編集室 #地球チーム

<校正>荒木利彦

製造業でシステム管理をしているサラリーマンです。「不安定な世こそバランスを」が座右の銘。バランスの取れたタメになるツイートを拡散するのが生きがい。文章の編集作業・ゲームが好き。

<動画編集>ナカニシワタル

<動画ディレクション>ばっし〜

箕輪編集室への入会はこちら

CAMPFIREファンクラブのプラットフォームを使用しています。以下のリンクから申し込みをしてください。

入会申し込みサイト(CAMPFIRE)

箕輪編集室へクリエイティブのご相談

箕輪編集室のクリエイティブ精鋭部隊によるクリエイティブ制作を行っております。まずはご相談ください。

お問い合わせ